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音楽業界アーカイブ&インタビュー

脱ミューのススメ

音楽しか目の前に無かった人の、ちょっとした目線の変え方、人生の変わり方実例を紹介。
脱サラならぬ、脱ミュー。

第4回 ベンチャーズを弾く団塊世代のほうが自然


  • 伊東 学(いとう まなぶ)さん
  • 株式会社 日本エンブレース
  • 代表取締役

プロフィール


音楽を職業に選んで生活したいと考えている人、バンドで一旗上げてやる!と夢や希望に満ちあふれている人、そして音楽で生活することにちょっと不安を感じている人。そんな人たちにちょっと視点を変えて「音楽以外の生き方もあるよ」と実例を紹介するのが、このコーナー。「脱サラ」ならぬ「脱ミュー(脱ミュージシャン)」というコンセプトのもと、さまざまなジャンルで成功を収めた方を紹介していきます。


第15回に登場してもらうのは、ハードロック・ギタリストを経て、現在はIT企業で代表取締役を務める伊東学さん。最終回となる今回は、ミュージシャンの在り方について話を聞きました。


--今の若い子たちの間では、いまだに「音楽しかない」という考えが美徳、みたいな文化があるようです。今回のインタビューは、そういう子たちにとって興味深いものになったと思います。


じゃあ僕のせいで、何百人もの希望あるミュージシャンがプロへの道を諦めて、いい曲がこの世に誕生しなくなるわけですね(笑)。


--いや、そんなことはないですよ(笑)。要は、背中をどちらに押してあげるかということだと思います。


僕の感覚では、趣味でベンチャーズを弾いてる団塊の世代の方々のほうが、より自然に見えます。みんなステージに立って大勢の人の前で歌いたいという気持ちはあると思うけど、それはどちらかというとエゴですよね。そうではなくて、仲間と一緒に楽しむための手段として捉えたときに、音楽の価値を再発見できるのかなと思います。多くの人の音楽に対する憧れというのは、ビジュアル的な憧れとかステータス的な憧れがミックスされたものが多いですよね。そういう意味では、表現に対する憧れというのは意外と少ないような気がします。


--表面的な部分しか見ていないということなんでしょうか。


よく若いバンドマンがいろいろ着飾ってスタジオに向かう姿を目にしますが、若いナーって思いますね。そういうものが彼らにとっての救いになってるんでしょう。ある程度の依存は必要でしょうけど、どこに依存するかですよね。例えばビジネスマンにも同じことが言えて、いわゆる社長業というものに対して憧れる人やお金に固執する人とか、いろいろいますよね。でも本当は、その向こう側にどんな理念があって、なにを表現したいと思っているのか、どう世の中を変えたいと思っているのかとか、そういうことが大切になってくると思うんです。


--中には、ひとつのことをとことん突き詰めて、成功を手にする人もいますよね。


それでうまくいってしまう人もいますよ。海外では特にそういう人が多いですよね。例えばオジー・オズボーン・バンドのギタリスト、ザック・ワイルドなんて見た目は南部のおじさんみたいだけど、生き方そのものがミュージシャンなんです。そこまで突き詰めてしまったほうが、ミュージシャンは幸せなのかもしれませんね。


■60歳のラッパーを受け入れる時代が来るかも?

--最後に余談ですが、伊東さんにとって「これはちょっと」という音楽のジャンルはありますか?


いわゆるラップの類は苦手ですね。テクニックとかはすごいんでしょうけど、ヘヴィメタルを聴いてきた耳には、どうしても同じ音楽とは思えなくて(苦笑)。


--今、30代でテレビに出ているようなラッパーたちは、60歳になったときに、どういう音楽をやっているんでしょうね?


そうですよね。ROLLING STONESは60代になっても続けているけど、ちょっと想像つかないですね。


--そのときのメッセージが重要だとしたら、60歳のおじいさんによるラップに共感する世代は、やっぱり60代の人たちということになりますしね。


そうそう。それがひとつの商品になるのかというと、ちょっと疑問ですよ。だからラップというのは、若者だけの過渡期的なものというか、若者のためだけの文化かもしれないですよね。STONESは70でもおかしくないし、BON JOVIでもいけるでしょう。でもひょっとしたら、今後は「すげー、あのじいちゃん」とか言って60歳のラッパーを受け入れる時代がくるのかもしれないですね。


脱ミュー伊藤学さん・第4回
若いミュージシャンへのメッセージも真剣に考えていただきました。

伊東学さんの脱ミューのススメ おわり

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